時計の囁きを聞きたい皆様に……

「かえらなかった時計屋さん」

(私にとっての)ラストヒーローの話です。

 

 

1978年 フジテレビの「ひらけ!ポンキッキ」の挿入歌ですので、ご存知の方は少ないかもしれません。

 

(※自宅保管レコードだったので、発表時期とは時差のある可能性有)

 

子供心にかなりインパクトのある歌詞だったため、2回程で丸暗記してしまいました。

 

 

あらすじ:

 

働き者で「ぼくら」のおもちゃも直してくれる「町の外れの時計屋さん」。

 

やさしいおじいさんには、何と、昔「正義の味方」だった過去が!

 

ある日、かつての敵だったロボットがおじいさんを探しにきて、町で大暴れ。

 

その時、おじいさんは……

 

 

「かえらなかった時計屋さん」

 

 

 

 

 

ラストが少々切なくて、耳にした時点でさえ心に迫るものがありましたが、今は社会人の立場から、改めておじいさんの人生について考察。

 

・正義の味方になった経緯

 

・正義の味方を引退するにあたって、何を思ったのか

 

・マドンナとの恋愛話(あっただろうと勝手に想像)の顛末

 

・ライバル関係だった同業者(いたはず)との、その後の付き合い

 

・転職の際、時計屋さんという職種を選択するに至った流れ

 

・時計屋さんになった町での生活スタイル

 

・「ロボット」は、時流の象徴なのか

 

など。

 

 

歌を聴いた当時、町に出現したロボットへのおじいさんの初動対応は衝撃で、

 

「なんで〜〜!?」

 

と、正直落胆もしました。

 

(何分子供でしたから、ヒーローは永遠に無敵だと思っていました)

 

その上、それまで知っていたどのヒーローとも違う、形容し難い強烈なインパクトを残し、おじいさんは鮮やかに私の前を飛び去って行きました。

 

……けれど、今は少しだけですが、理解できる気がします。

 

 

 

私が時計に携わるに至った根底のきっかけは、実はこの歌だったのかな、と最近思うようになりました。

 

ヒーローもののプリントシャツを着ると、自分も強くなったみたいでちょっと嬉しい、ごく普通の感覚の子供でしたが。

 

元正義の味方「時計屋さん」の方が断然かっこ良く感じたのは確かだったらしく、以降ヒーローごっこ遊びを卒業した形跡が残っています。

 

(家のおもちゃや鍵やオーディオ機器等、手近なものを分解(=破壊)し始めた)

 

 

あの後、歌の中に出てくる「ぼくら」の町にも。

 

壊れたおもちゃを見つめるうち、「おじいさん」に憧れ、第二の「時計屋さん」を目指した子が現れたでしょうか。(個人的希望で、是非現れていて欲しい)

 

歌が世に出た当時と違い、車・家電製品・最近のおもちゃ(特にゲーム機器)など、電子制御で便利・精密になった反面、簡単に修理できないものが多い時代へと変化していますが。

 

言い換えるなら、時間を超えて、この歌をご紹介できる環境にもなっていて。

 

 

ひょっとして、私のヒーローは今もご健在で。

 

遥か遠くから、何かメッセージを発信し続けている?

 

……などと、柄にもなくファンタスティックな気分になるのです。

「かえらなかった時計屋さん」歌詞

 

町のはずれの時計屋さんは とってもやさしいおじいさん
町一番の働き者で 朝から晩まで時計の修理
ついでにおもちゃもなおしてくれる

 

パパがぼくらに教えてくれた おじいさん むかしは強くって
高いビルでもひとっ飛び 正義の味方だったのさ
だけど今ではノラ犬と かけっこしても負けちゃうよ

 

 

ある朝 大きなロボットが おじいさん探しにやってきて
むかしの勝負をつけようと お店の中で大暴れ
おじいさん ペコペコあやまった

 

とくいになった大きなロボット なかまをいっぱい呼んできて
わがもの顔で大騒ぎ おまわりさんも手が出ない
町のみんなの大ピンチ そこへおじいさん飛び出した

 

 

納屋から小さなカバンを出して メガネをはずしてマントをつけて
悪いロボットやっつけた 最後に大きなロボットと
一対一の大決闘だ

 

おじいさん 力をふり絞り あいての胸にしがみつき
そのまま遠くへ飛んでって 2度と帰ってこなかった

 

町に平和は戻ったけれど ぼくらのおもちゃは壊れたままさ

 

 

歌:若子内悦郎
作詞:小橋洋司 
作曲:かまやつ ひろし


TOP リンク集 椿(?)の観察日記